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2015年 12月 21日

人生を、いじくり回してはいけない

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今月のアドバンスクラスの作品、
リーフテクニックを駆使して季節のアレンジ。
時間はかかりましたが、
森の香りのグリーンと白
クリスチャン・トルチュらしいパリスタイルで。
みなさん、すごくきれいでした。






前回の水木しげるの幸福の七か条では、

怠けなさい・・、
努力は人を裏切る・・、
成功を目的にしちゃいけないとか、

既成の価値観からすると?なのですが

彼の幸福感について、それがよく理解できる
ちょうどいいものをみつけたので、
以下、今日の覚え書き。

子供の頃には、暗くてちょっと恐かった妖怪ものの鬼太郎は
とても好きってわけじゃなくて、
「ゲゲゲの女房」も見なかったけど
水木しげるさんという人は、好きです。




水木しげる「人生を、いじくり回してはいけない」

(第二次世界大戦で、兵隊として南方の島に出征したときのこと)

 「入隊して問もなく、私は南方の島、ニューブリテン島のラバウルヘと送られることになりました。
腕を失って前線から後退した私は、島で暮らす人たちと仲良くなった。
彼らは朝起きると、主食であるバナナを採りにいく。
そして昼問は涼しい家のなかでのんびりしている。
客人が来れば心からもてなす。
祭りの日にはみんなで歌い踊る。
ただそれだけの生活です。

彼らには義務のような仕事などありません。
もしかしたら人生の目標なんていうものもないのかもしれない。
それでも彼らは、とても満ち足りた表情をしていました。

彼らのなかには「幸せ」という言葉はありません。
それでも彼らの村には「幸せ」の空気が充満しています。
それは彼らの日常生活の中に、幸せが自然に組み込まれているからです。
あえてこれが幸せですと取り出して確かめなくても、
ほのぼのとした幸福感に包まれているんです。


「幸せ」なんていう言葉がないほうがいいと私は思います。
そんな言葉があるから、人は「幸せ」を叫ぶのです。
もっと幸せになりたいと叫ぶのです。
本当の幸せとは、叫んだからといって手に入るものでもない。
私は彼らの村に流れる幸せの空気を、
日本に帰国してからも思い出しながら、暮らしてきました。

やりたくないことは無理にやることはない。
自分にできないことは他人に任せておけばいい。
小さい頃から私はそう考えていました。
自分の好きなことをやる。
そのために人は生まれてきたのだと私は思っています。

やりがいだとか、充実感といった言葉をよく耳にしますが、
結局は自分が好きなことにしか、
そういうものは見つからないような気がします。
やりたいことが見つからないと言う人がいますが、
まずは自分が好きなことは何かを考えること。
小さい頃に熱中したものを思い出すんです。

ただし、好きだからといって成功するわけじゃない。
いくら情熱を傾けて努力をしても報われない人はたくさんいます。
努力は人を裏切るということも知っておくことです。

それでも、好きなことに情熱を傾けている問は、
きっと幸せの空気が漂っているものです。
私は自分が幸福だと思っています。
好きなことに情熱を注いで、人生を生き切ること。

うまくいく時もあれば、うまくいかない時もある。
そんな時に、あたふたと騒がないほうがいい。
幸福だの不幸だのといちいち口に出さないほうがいい。
人生にはいろんなことが起こって当たり前。
それらに一喜一憂するのではなく、放っておくことです。

人生をへたにいじくりまわしたところで、何の解決にもなりません。
起きてしまった不幸はもうどうしようなもない。
ならば自然の流れに身を委ねてしまったほうがいい。
しょせん人問の力ではどうしようもないこともあるものです。

ラバウルの人たちは実にわかりやすい人生を送っています。
神様から与えられた人生を決していじくり回したりしません。
だから、幸せの空気に包まれているのでしょう。」

(水木しげる「人生を、いじくり回してはいけない」2005年)

by pikeflower | 2015-12-21 22:15 |


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